連邦帰宅部本部

ブルアカの考察をします

メインストーリーVol.2「時計じかけの花のパヴァーヌ」編 第2章まとめ

気づけば既に年末年始、帰宅部員です。原稿とリアル社畜ライフが一段落しました。

 

今回はパヴァーヌ2章の前編・後編の記事となります。

1章「レトロチック・ロマン」がリリースされたのが2021/3/25と、約1年半ぶりの更新だったこともあり、2章を待ちに待った先生はさぞ多かったことでしょう。

本記事では、一区切りとなったVol.2の新しい設定や未解決の謎に触れながら、キヴォトスの全体図についても少し考察をしました。

 

ネタバレ注意!!

↑何気に初となる縦のストーリー予告画像。

 

 

目次

 

あらすじ

ミレニアムプライズに向けて活動中のゲーム開発だったが、アイデアに詰まってしまい先生を助っ人としてミレニアムに呼び出す。ユズの提案でアリスと先生はミレニアムのキャンパスを探索する。

ある日、ヴェリタスからミレニアムの郊外で奇妙なロボットが見つかったと連絡があり、先生とゲーム開発部はヴェリタスの部室に足を運ぶ。

アリスがロボットに接触するとロボットが起動し、同時にモモイのゲーム機に電源が入り、アリスが何者かに乗っ取られてしまう。「AL-1S」を名乗るアリスはプロトコル「ATRAHASIS」を実行すると言い、ロボットを率いて先生と生徒たちを襲う。

アリスとロボットはC&Cに制圧されたが、モモイが怪我をし意識不明の重体に。

2日後、ミドリから連絡があり、再びゲーム開発部に呼ばれる先生。部屋に籠もりきりになったアリスと会話していると、ミレニアム生徒会長のリオが部室を訪れる。

リオはアリスをキヴォトスの驚異と見なしており、アリスはこの世界に居てはいけない存在であると告げる。

アリスを回収するため、AMASとネルを仕向けるリオだが、そんな依頼やってられっかよとネルが指示を拒む。命令に背いたネルはAMASを蹴散らすが、特殊武装を解除したトキにより制圧され、結局アリスは拉致されてしまう。

非常事態を前に先生、ゲーム開発部、ヴェリタス、エンジニア部、C&C、セミナーのノアとユウカが一堂に会し、作戦会議を開く。

同時刻、リオはエリドゥの中央隔離施設に監禁されたヒマリに面会する。以前、アリスは脅威ではないと結論付けたヒマリはリオの計画に賛同しなかったため、トキに襲われ拉致監禁されていた。

作戦が開始され、ヴェリタスの助けを借りて一同はエリドゥの侵入に成功。

C&Cがトキと交戦しているうちに、ゲーム開発部とエンジニア部はタワーへの侵入を目指すが、アバンギャルド君に行く手を阻まれる。見た目はともかく強力なアバンギャルド君に苦戦していたが、「鏡」を使ったチヒロの支援とエンジニア部の最新式遠隔スピーカーにより撃退に成功。また、ヒマリもエイミの協力により隔離施設を脱出する。

一方、C&Cはトキを追い詰めるも、リオから一時撤退の指示を受けたトキを逃してしまう。

タワーに辿り着くと、一同を待ち構えていたのはトキ。リオは切り札であるパワードスーツ「アビ・エシェフ」の使用を解禁し、トキはチートとも言える強さを得る。ネルが応戦するも殆どダメージが通らず、万策尽きたかと絶望していると、ユズがとある作戦を提案する。チーターにはハメ技をと、エレベーターを使って特殊武装を無効化し、トキを倒すことに成功する。

タワーの最上階にはリオと機械に繋がれたアリスがいた。アリスに声を掛けるとアリスを乗っ取っていた<Key>が応答し、「ATRAHASIS」が再実行される。このままではエリドゥが箱舟に変質し、キヴォトスが終焉を迎えてしまうと焦るリオだったが、ノアとユウカがエリドゥの全電力を落とし、「ATRAHASIS」の中断に成功する。

ヒマリも合流し、残るはアリスの意識を取り戻すだけ。精神ダイブ設備(?)を使い、モモイ、ミドリ、ユズは精神世界に入り、無事アリスを取り戻す。

ヒマリはエリドゥの施設を閉鎖し、リオは会長を引責辞任。ネルの退院祝いにはC&Cが集まるが、その場にはトキも合流する。ゲーム開発部は続き次回作の開発に勤しむ。

2章fin表記。To Be Continuedはなし。

 

登場人物

・ゲーム開発部

Vol.2の主人公であり、全員1年生の部活。

 

成果が全てのミレニアムで目立った成果も挙げられず、部員も規定人数に満たなかったため、廃部の危機に立たされていた。

1章では、先生や「廃墟」で拾ったアリスの協力を得て完成した「テイルズ・サガ・クロニクル2」がミレニアムプライズで特別賞を受賞し、当面は廃部を逃れることに成功する。

 

2章ではミレニアムプライズに応募する次回作の制作のため、アイデア出しの協力者として先生を部室に呼ぶ。

次回作は「まったりスローライフ系ダンジョン探索型RPG」の予定だったが、2章の事件後は「道端の可愛いモンスターを味方にしながら世界を征服する収集型育成戦略RPG」へジャンル変更した。

ゲーム開発部のストーリーに登場する全てにゲームに元ネタがあり、気になる人は調べてみると良いかも。

 

議論が平行線になった時はゲーム好きらしくゲームで決着をつけるという。

 

モモイ・ミドリ

双子の姉妹で、モモイが姉。同じ姉妹でも春原姉妹とは異なり、二人ともヘイローの形が同じ。

猫耳としっぽが生えているが、着脱可能なアクセサリーである。

 

昔は姉妹仲が険悪だったがゲームを通じて仲直りした。モモイがシナリオを、ミドリがイラストを担当する。

 

ユズ

ゲーム開発部の部長。伝説的なゲーマー「UZQueen」の正体であり、ゲームの実力も制作に掛ける情熱も並大抵では無い。

人と交流するのが苦手で、よくロッカーに引きこもっている。部長会議も欠席しているらしい。

 

2章では対戦で「ハメ技」を使ってチーターを打ち破ったのを応用し、モード3の武装トキをエレベーターでハメて無力化する作戦を提案した。

臆病なように見えて、ここぞと言う場面での大胆な行動や発想が頼もしい。

 

アリス

ミレニアムの郊外の禁止区域である「廃墟」で発見された機械仕掛けの少女。

身体能力は尋常ではなく、キヴォトス人ですら持ち上げられないレールガンを軽々と扱い、身体の損傷もナノマシンにより瞬時に修復される。

 

生徒証はモモイがヴェリタスにハッキングしてもらい入手したもの。

 

C&C

ミレニアム最強の武力組織であるメイド部。

ネル、アスナが3年生でアカネ、カリンが2年生。

 

ニーチェイサーで5人目の存在が仄めかされていたが、2章でトキがその5人目であることが明らかになった。

 

モチーフはコールサインと名前からそれぞれ、0次元~4次元(点、線、面、立体、時間)と思われる。

 

トキについては後述で詳しく触れる。

 

 

セミナー

ミレニアムの生徒会。

セミナー四天王」と呼ばれていることから、コユキをカウントした場合はこれで全員のはず。いつから四天王が四人だと錯覚していた?

 

リオについては後で改めて触れる。

 

コユキはまだ捕まっているようだ。

 

特異現象捜査部

リオが特別に設立した特務組織で、現在はヒマリを加えてデカグラマトンの調査を主に活動中。

 

ヒマリ

元ヴェリタスの部長。自他ともに認める天才ハッカー

パヴァーヌ1章ではアリスの正体を探るためにリオと手を組んだが、お互い至った結論が真逆と判明するや否や、休戦を取り消し再び対立。

トキに殴られ、エリドゥの中央隔離施設に閉じ込められるが、いざという時のためにセミナーに押収させた「鏡」がエリドゥのネットワークをハッキングするのに役立ったり、最終局面で登場してアリスを救う唯一の方法を提示したりと、大活躍を見せた。

おまけに一連の事件の尻拭いとして、エリドゥを封鎖するところまでやってくれた。

 

エイミ

元々は特異現象捜査部唯一の部員だった。リオやトキをも超える合理主義者で、事あるごとに服を脱ごうとする。

2章では「リオに会いに行って24時間以内に戻って来なかったら冷蔵庫のプリンを食べていい」というヒマリからのメッセージだけで、エリドゥの隔離部屋に閉じ込められていたヒマリを単独で救出。

 

先生の指揮とヒマリのサポート付きとは言え、デカグラマトンの預言者をほぼ単独で迎撃する実力者。リオはこいつの行動を縛っておくべきだったかもしれない。

 

ヴェリタス

お馴染みのハッカー集団。

途中までチヒロは別行動でセミナーの差押品保管所から「鏡」を回収していた。

生徒会非認可の部活であり、セミナーに情報を独占されないことを目的に設立された組織で、リオに縛られず行動できるのが強み。

 

エンジニア部

お馴染みの宇宙を目指す技術者集団。

アバンギャルド君を改造した「アバンギャルド君Mk.2」で廃墟のロボットを制圧した。

アリスのレールガン(宇宙戦艦搭載用レールガン)を開発したのも彼女らで、エンジニア部の下半期の予算70%近くを掛けたとのこと。

 

今後のストーリーで、本当に宇宙戦艦を作って宇宙に行くことがあれば面白い。

 

レーニング部(スミレ)

ネームドが一人しかいない部活。そのせいか、リオの監視から運良く逃れているらしい。

ジョギングでよく鉢合わせるアリスを運動仲間として可愛がっている。

エリドゥの一件ではヴェリタスに協力し、セミナーの差押品保管室から「鏡」を奪還するチヒロのサポートをした。

 

「いち、に。いち、に。」が聞こえたらご用心。

 

考察ポイント

・リオ

満を持して登場したセミナーの会長。

名字は調月と、ヒマリの明星とは対になるよう。

 

徹底的な管理を好む合理主義者で、周りからは「ビッグシスター」と呼ばれる。

要塞都市エリドゥをたった一人で建設し、トキの特殊武装アバンギャルド君といったオーバーテクノロジーを扱い、天才集うミレニアムの頂点に相応しい実力者であることは間違いない。

 

メインストーリーでは彼女なりにミレニアムの危機回避のために行動したが、アリスを巡り先生とミレニアムの殆どの勢力と対立する羽目になってしまった。

事件後は責任を取って会長を辞任し、執務室の置き手紙には「ごめんなさい」の一言が書かれていた。

あまり多く掘り下げられず若干可哀想な立ち位置となってしまったが、今後のストーリーで挽回での期待したい。

 

モチーフはヒマリを量子論とした場合、それに並ぶ一般相対性理論か。

 

・5人目のC&C

名前は飛鳥馬(あすま)トキ。

リオ直属のボディーガードとして活躍した。リオの命令には「イエス・マム」で応答する。

コールサインはゼロフォー(04)。無駄の無い戦い方と、ちょっと図々しい無表情後輩ハイレグメイドっ娘に心を奪われた先生は多い。

 

作中では3段階の変身を見せた。変身はロマンだね。

 

モード1:メイド服。ネルの不意をつける程度の機動力を持つ。

モード2:コスプレメイド服。リオの作った特殊武装により強化された状態。ネルの動きをあっという間に封じてしまった。

モード3:ハイレグ。パワードスーツシステム「アビ・エシェフ」を装着した状態。エリドゥの全電力と演算能力を集中させることで未来予知に近い能力を行使可能に。

パワードスーツの致命的な弱点として、「迎撃」と「回避」を同時に出来ない。ユズの作戦ではエレベーターの重力を利用して回避システムを麻痺させ、完封した。

 

2章の事件が終わってからは、リオとは別れC&Cに合流した。

 

・リオプロダクト

要塞都市エリドゥ

キヴォトスの終焉に対応すべく、リオがセミナーの予算を横領して秘密裏に建設した都市。名前は古代メソポタミアの都市から。

ヒマリには悪趣味なセーフハウスと呼ばれる始末。

Keyが「ATRAHASIS」を実行したことで、都市全体が新たな箱舟へと変貌を遂げようとしていた。

 

リソースとして見た場合、1万エクサバイト分(※)のデータがあるらしい。

(※)Wikipediaによると、2013年時点のGoogle保有するストレージ容量は10エクサバイトとされている。

 

アビ・エシェフ

トキがモード3で装着したパワードスーツシステム。名前は紀元前のバビロニア王から。

本来は「名もなき神々の王女」ことアリスとの戦闘に備えた武装だったが、先生という変数が加わったことでC&Cに対して使わざるを得ない状況に。

 

AMAS

エリドゥを防衛するリオお手製戦闘用ドローン。ストーリー戦闘ではネルに蹴散らされ、調査ミッションでは先生に破片を集められる。

 

・謎の敵対勢力

<Key>

アリスを乗っ取った謎の存在。

1章でG-bibleをモモイのゲーム機にインストールした際に、一緒についてきたフォルダの名前でもある。マキによると、現代の機械語では解析できない構成をしているとのこと。

「ATRAHASIS」を実行するも、目覚めたアリスに勇者の剣(スーパーノヴァ)で焼き払われてしまう。その後どうなったかは不明。

Key自身は無名の司祭による命令を実行しているだけなので、少し不憫ではある。

 

Divi:Sion

「不可解な軍隊」や追従者と呼ばれる、「廃墟」から湧き出た謎のロボット。アリスが接触すると起動した。

リオによると、Divi:Sionは「災禍」でありアリスの存在が彼らを「廃墟」から呼び出しているらしい。

 

無名の司祭

たびたび登場する謎の勢力。

<Key>を介して「ATRAHASIS」を実行し、新しい「サンクトゥム」を建立したいらしい。

 

ヒマリが「無名の司祭が到着する前に」と発言しているように、何らかの形で我々を監視し、必要であれば自ら赴くことも躊躇わないようだ。

 

実はエデン4章にもその名は登場しており、黒服がアツコに用意した防御システムもといヘイローを守るマスクは彼らの技術によるもの。

また、「たち」と複数形で呼ばれることもあることから司祭は複数存在する。

 

アリスを使った計画は先生の干渉が入ったことで失敗しており、次に起こすアクションやゲマトリアとの関係性など気になる点は多い。

 

・「神秘」のアーカイブ化、そして新しい「サンクトゥム」

エデン4章ではセイアの夢で描かれたが、パヴァーヌ2章でも触れられた「キヴォトスの終焉」。

Keyによると新しい「サンクトゥム」が建立されると「神秘」がアーカイブ化されるとのことだが、リオはこれをキヴォトス(=世界)の終焉と捉えた。

「神秘」とはこれまでのストーリーで触れられているように主に生徒たちのことを指し、それをアーカイブ化(元の場所から移動ないし削除し保管)となると何やら不穏である。

 

無名の司祭が「アトラ・ハシースの箱舟」起動をもって「サンクトゥム」を建立することで何を企んでいるかについては下に記述する。

 

・「千年難題」とは

セミナーのグループストーリーで初出の設定。

「7つの難題」があるとされ、それらに立ち向かうために研究組織が集まったのがミレニアムである。

リオもミレニアム生徒の一人として千年難題の解決を望んでいる。

 

元ネタはミレニアム懸賞問題とされるが、問題の内容まで同じかどうかは不明。

それにしても「七つの古則」「七つの嘆き」「七囚人」と、何かと7が付く設定がブルアカには多い。

形は異なるが、全て何かしらの共通点があったら面白い。

 

コユキ、利用されていた

ニーチェイサーの事件では、コユキがミレニアム名義で多額の債権を発行していたが、それを隠れ蓑にリオはセミナーの予算を横領して巨大都市を建立していた。

会計のユウカですらリオの資金周りの動きは追跡出来なかったという。

 

ゲヘナの怪しい動き?

アリスと先生がミレニアムを探索していると、リオの命令でアスナとカリンがゲヘナの情勢を調査しているところに遭遇する。

 

そしてなんと名前も知らないOPのギャルがストーリーに登場。名前はキララとエリカ。エリカはβ版にいたり、キララの名前もハンドルネームだけ1st PVに登場していたり。

 

メイド服ではなく制服を着たC&Cの二人に、今の万魔殿のリーダーが誰かを聞かれるがわからないと回答。実際、先日実装されたミニストーリー第1弾でゲヘナの一般生徒は政治に関心がない事が明らかになる。

 

メインストーリー5章が来るとしたら、この二人を主人公としたゲヘナの物語になるかもしれない。

 

残された謎

・アリスは脅威か否か

2章の冒頭では、リオとヒマリがアリスの正体に関するお互いの結論をいっせーのーで明かす。

リオ:「世界を終焉に導く兵器」

ヒマリ:「かわいい後輩」

 

リオがアリスを脅威と判断するのは間違いではなく、実際にKeyに乗っ取られたアリスは生徒に銃口を向け、初めてアリスを見たウタハは戦闘を目的として作られた機体であることを見抜いており、危険を孕んだ存在である事は明確だ。

 

対してヒマリが脅威では無いと判断した理由は特に語られていない。

しかし、精神世界のアリスがKeyを自分の意思で眠らせたor排除したように、アリスが身体の主導権を握っている限りは脅威たり得ないとも言える。

ヒマリの主張としては潜在的脅威であるアリスを「魔王」として扱わず、「先生」の存在やアリスを取り巻く環境を見る限りこのまま一人の「生徒」として向き合えば問題ないということだろう。

 

・アリスの正体

アリスには少なくとも5通り以上の呼称がある。アリスの正体を解明するには、彼女に関わる各勢力の視点からヴェールを剥がしていく必要がありそうだ。

 

「アリス」:自我、記憶、目的が消去されていたところ、モモイに「アリス」と名付けられ、先生や生徒たちに触れて形成された人格。

「AL-1S」:アリスの機体名。廃墟の寝台に書かれていた他、Keyが使う呼称。

「名もなき神々の王女」:Keyが使う。リオ、ヒマリの認識の一つ。

オーパーツ:無名の司祭が崇拝しているもの。「名もなき神々の王女」と同列に扱われる。リオ、ヒマリの認識の一つ。

「古の民が残した遺産」:詳細は不明。リオのみ使用。

「魔王」:キヴォトスを滅ぼす兵器としてのアリスのこと。ゲームに例えてリオやアリス自身が使う。

「不可解な軍隊(Divi:Sion)の指揮官」:リオのみ使用。

 

整理すると、

・「AL-1S」の機体を作ったのは「古代の民」

・「AL-1S」は「無名の司祭」が信仰する「名もなき神(々)」の王女

・「AL-1S」を「オーパーツ」として崇拝し、「王女」として助けるのが「無名の司祭」

・「AL-1S」は「無名の司祭」が残した<Key>がインストールされる事で、指揮官として「不可解な軍隊(Divi:Sion)」を率いることができる

・「AL-1S」は「アリス」という「生徒」である

 

このように、「AL-1S」という器に、生徒「アリス」が目覚め、無名の司祭の命令で<Key>が「アリス」を押しのけて「AL-1S」を乗っ取ろうとしている構図が分かるだろう。

 

・「AL-1S」のセーブデータ

作中で何度かアリスが意識する、自分の知らない「セーブデータ」に関して少し触れる。

 

アリスは「廃墟」で目覚めた際、自我、記憶、目的を消去されていた。

また、「廃墟」では「先生」の認証なしではアリスに接触できないよう入室権限が制限されていた。

 

更に、「廃墟」を秘匿しようとしたのは連邦生徒会長である。

 

上記から、アリスのリセットを行い、「先生」以外がアリスに接触する事が無いよう認証システムを用意したのは連邦生徒会長だと考えられる。

 

連邦生徒会長と先生が見た結末には、アリスが「魔王」として覚醒し、キヴォトスを滅ぼす世界線があったのかもしれない。

アリスを破壊するのではなくリセットした上で秘匿し、次の世界線に残したのは、正しい結末にたどり着くためにアリスが一人の生徒として、または強力無比な戦力として必要だからだろう。

 

・Divi:Sionシステムとは結局なんだったのか

1章ではアリスが眠っていた「廃墟」に、軍需工場を管理していた「ディヴィジョンシステム」というAIが登場する。

名前が非常にややこしいが、「追従者」や「不可解な軍隊」と呼ばれるロボットのDivi:Sionとはまた別の存在である模様だ。

 

ケセドの総力戦ストーリーでは、黒服が「ディヴィジョンシステム」がデカグラマトンに感化された結果、預言者「ケセド」となる事について触れている。

2章がホド発生後の出来事であることから、Keyがアリスを乗っ取った時点では既に「ディヴィジョンシステム」はケセドへと変貌を遂げてしまったと思われる。

補足:デカグラマトンはビナー→ケセド→ホド→ケテルの順番で発見されている。

 

「古き民(=名もなき神々?)」の詳細が現時点で分からないため憶測ではあるのだが、「ディヴィジョンシステム」を作ったのも彼らかもしれない。

黒服たちゲマトリアがデカグラマトンの研究組織から名前を借りているように、無名の司祭も「追従者」の名前を、信仰している神々が残したAIから拝借したと考えると面白い。

 

・キヴォトスは神話体系バトルロワイヤル?

ここ(キヴォトス)でも方舟、あっち(アトラ・ハシース)でも箱舟。

最後に飛躍した考察をしてみたい。

 

結局、エリドゥを箱舟化し、新しい「サンクトゥム」を建立して無名の司祭は何をしたかったのだろう?というものだ。

 

・「サンクトゥム」とは

「サンクトゥム」という単語から真っ先に思い浮かぶのは「サンクトゥムタワー」だ。「サンクトゥムタワー」はキヴォトスという世界の中枢にして要であり、その制御権を握る事はキヴォトスを支配する事と同義である。

プロローグではタワーの元管理者である連邦生徒会長が失踪したことでタワーの制御が喪失、それから数週間はキヴォトス中が大混乱に陥る。しかし、その混乱も「先生」が召喚され、シッテムの箱を介してアロナがタワーの制御権を取り戻すと収束。

現時点でタワーに関する情報は殆ど無いが、タワーを中心としてキヴォトスの空に展開されている円が巨大な光輪(ヘイロー)である事はご存じの通りだ。

そしてこれまでの文脈から鑑みるにヘイローとは、生徒やデカグラマトンの預言者など、「神秘」を持つ存在の頭上に現れる証のようなものである。当たり前の話のようだが、「サンクトゥムタワー」のてっぺんにヘイローがあるなら、タワーそのものにも「神秘」があるはずだ。

つまり何が言いたいかと言うと、現キヴォトスを支配しているのは「神秘」=「生徒」なのである。だから、「学園都市」キヴォトスだし、連邦「生徒」会が行政の中心なのだ。

 

・キヴォトスの支配権を巡る争い

今回のストーリーで「サンクトゥムタワー」では無い別の「サンクトゥム」の存在が示された事で浮上した仮説は、「サンクトゥムタワー」が普遍とは程遠く、置換可能な存在であるということだ。

「サンクトゥム」を制御する事でキヴォトスを支配できるなら、無名の司祭は自分たちの「サンクトゥム」を新たに誕生させる事により、「神秘」が支配している現キヴォトスをひっくり返そうとしているのでは無いだろうか。

その証拠として、無名の司祭の刺客であるKeyに乗っ取られたアリスが真っ先に行った行動は有機体である「生徒」(=「神秘」)への攻撃である。

アリスが危険視される理由も、根本が「生徒」と真っ向から対立する存在であるからというところにあり、無名の司祭の企みが成功した暁には、アリスを「女王」として「生徒」たちを滅ぼし、ロボットたちが支配する世界が生まれていただろう。

デカグラマトンが「圧倒的な存在」と呼んだ「アロナ」と同じく「サンクトゥム」の管理者であった連邦生徒会長は、いわばキヴォトスの神のような絶対的な存在であり、アリスやデカグラマトンの10人目の預言者である「マルクト」はそれを目指す卵と言ってもよいだろう。

 

・キヴォトスの知られざる歴史?

ここからさらに飛躍して、キヴォトス全体の歴史を考えてみると、連邦生徒会長が現在の「サンクトゥムタワー」を管理する前は、一体何がキヴォトスを支配していたのだろうか。

「タワー」や無名の司祭たちのもの以外にも、これまでのキヴォトスに様々な形の「サンクトゥム」が存在していたとすると、パヴァーヌ2章のように異なる勢力がキヴォトスの支配権を握ろうと争いを繰り広げていた可能性は高い。

「Divi:Sion」が湧き出る「廃墟」や、それと同じ類の「アビス」「カタコンベ」は敗れ去ったの過去の支配者の遺産が眠る場所だと考えると、連邦生徒会長がそれらの秘匿に躍起になるのも頷ける。

 

・キヴォトスを巡る争いがあるとたら、なぜ?

命題に戻ると、キヴォトスの覇権を巡る争いは現在に至るまで何度も起きており、かつパヴァーヌ2章のような形で現在進行形で発生しているが、争いの目的は何か。

 

大学生以上の存在が確認されていない生徒ですら、デカグラマトンにより「いずれ消えゆくもの」とされているのを見ると、寿命ではなくキヴォトス自体に何らかの刻限(タイムリミット)があると考える事も可能だ。

キヴォトスが方舟を意味する事や、シッテムの箱(アロナの世界)がポストアポカリプス世界のように見える事から、この争いは次の世界を支配する法則や常識を決定するバトルロイヤルであり、その勝者は刻限までにキヴォトスの支配権を維持したまま方舟を完成させることが次の世界の支配者となる条件である・・・なんて事はあるのだろうか。

刻限を迎えた時、次の神話体系の卵である生徒たちが大人になり、完成した神(神々)や法則、常識として改めて世界に降臨する。先生が生徒に呼ばれたのも、生徒たち「神秘」が勝利するためだとすると、とんだ戦いに身を投じたものである。

 

おわり

2022年のブルアカはエデン条約が完結し、SRT特殊学園が閉鎖し、デカグラマトンの預言者が2体覚醒し、2年に一度の大イベント晄輪大祭が開催され、パヴァーヌ2章が完結し・・・とにかく色々な展開がありました。

来年も2周年から何やら大きな動きがありそうな予感がします。

 

自分と言えば、活動を初めてちょうど1年となりました。初期に比べると多少読める文章になったようなそうでも無いような。こんなブログですが、見に来てくれている先生がた、本当にありがとうございます。

 

来年も考察や落書きをしながらまったりと活動していく所存ですので、何卒よろしくお願いします。

良いお年を!