連邦帰宅部本部

ブルアカの考察をします

エデン条約編3章後半の感想

1月12日の3章後半公開からちょうど1ヶ月が経ちましたね。

感覚的にはまだ1ヶ月しか経ってないのかという感じで、動画作ったのも半年くらい前に感じるんですがこれは一体……。

 

兎も角、公開から暫くして落ち着いたので感想を書いていきます。

シナリオに関して個人的な意見や所感を書いているので、「3章後半1000%良かった!最高!」と感じられた方はもしかすると見ないほうが良いかも。

 

 

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忙しい人向けの総評:

良い部分も多かったが、心残りのあるシナリオ。

 

 

サオリやアツコの人物描写やヒナの心が折れた時、ミカが泣きじゃくる場面など、確かに良かった部分も多いが、率直に言うと3章後半は駆け足な展開で雑な印象を受けた。

これまでのVol.のシナリオが纏まりのあるものだったのと、エデン条約編は2章が特に面白かっただけに読んだ後に不完全燃焼感があるのが正直なところだ。

クリスマスの拡大版アロナちゃんねるでエデン条約編が3章後半で一段落すると聞いた時は、話の展開的に収拾がつくのかと内心不安で、それが杞憂であれば良かったのだが……。

 

・締切と周年

今公開されている3章後半の内容を元々予定していたことも全然考えられるが、もし本当に本来予定していたシナリオを一部カットしてまで何かに間に合わせたかったのだとしたら、やはり周年の存在だろう。

本来は4章で完結の予定だったか、或いは実際にリリースされた10話~25話分の内容よりも遥かに分量が多かったか、はたまた更新の時期が前後しただけなのか開発のみぞ知るが、時期的に周年の生放送で新章の発表をしたいとかそんな事情があったのではないかと邪推してしまう。

(更新予定が多少ズレたかもしれないという件については実は根拠があるがここでは詳細に触れないでおく)

1周年の生放送でYostarの加藤さんが「各位、色んな沢山の事を考えて眠れない日々が続いた」と言っていたり、ブルアカに関連しているか定かではないがメインライターのisakusanもツイートの内容からして何やら大変だったようで、締切に追われ多少は妥協せざるを得ない状況にあったのかもしれない。

 

しかし、ストーリー完結を周年に間に合わせる必要性も無いはずであり、周年のガチャでティーパーティーやアリウスのキャラを実装するなら売上に関わるから急ぐ意図も理解できるが、実装されたのはエデン条約編には登場しないワカモで特にそういう事もなかった。

例の5ヶ月間の空白のことを考えると開発の中でメインストーリーの優先順位が低めで、最近更新ペースが戻ってきたのも開発に余裕が出来たからだと勝手に思っていた。

(多少想定外の事態は起きたが)元々開発が予定していた内容で提供されているのに、単に僕が3章後半を100%楽しめなかった理由を求めて邪推しているだけだと思いたい。そもそもメインライターさんのオリジナルの構想がどんなものか知る術すら無いし……。

 

・キャラの描写と物語の展開

冒頭の10話からライティングが気になってしまい、ライターや翻訳担当が変わったのか?と勘ぐってしまうくらい何故か違和感が先に来て、話の内容が頭に入って来なかった。

感覚の話なので明確な根拠を提示できる訳でも無いが、既出の情報を羅列しているだけの部分や伏線になっている訳でもなくシナリオ上の役割が薄い部分があり、今までのライティングと比べてどことなくチープな感じのする場面が多かったように感じる。

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特にエデン条約編のテーマでもあるセイアの問答を真っ向から否定した部分は読むのが辛かった。

楽園の証明には興味はなくて、なんて言い方しなくても良いんじゃないか?

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群像劇で全員の伏線を回収してきっちり描ききるのが難しいのはわかる。

でも3章後半は予告の通り本当に各学園の主要人物の大半が行動不能とは思わなかった。

非常時に連絡がつかない・動けない上層部って本当に何のために存在するんだ?

 

登場人物が20人くらいいる中でどのように物語の収集をつけるのかと楽しみにしていたところ、動くと展開が複雑化しそうな人物を退場させることで物語を簡略化するという手法を取ってきたのはちょっと残念だった。

群像劇は登場人物がそれぞれの思惑で動くから面白いのであって(2章はまさにそんな感じ)、サクラコやナギサ、今回一言も喋らなかった残りの万魔殿のメンバーとか、ここぞという時に活躍してくれてたらと思わざるを得ない。

特にサクラコは10話以降はハナコに指揮を託した後重体で発見されたくらいしか描写がされず、一体何をしていたのか我々が想像するしかないという何とも虚しい扱い。

次にシスターフッドがメインで再び取り上げられるのはいつなのか?

 

あと、アビドスは色んな意味で卑怯だ。覆面水着団はビジュアルも組織としての能力も強すぎる。トリニティ、ゲヘナ、アリウス間の問題なのに不意打ちで美味しいところを掻っ攫っていった。

最後の最後で外野がチートパワーで解決していくのはちょっともどかしい。ここは最後までトリニティ、ゲヘナで頑張って解決してほしかったなあと。

 

全体を通してストーリー展開に粗がなかったとは言い難いが、やはり演出の力は絶大と言うか、ヒフミの演説でタイトル回収&メインテーマのアレンジ(実はかなり前のプロモーション動画に使われているbgm)&声優さんの素晴らしい演技で押し切った感がある。

(ヒフミの演説はアズサの覚悟や過去を否定するような内容なのと、「ブルアカは昨今のダークな路線ではなく明るい世界観なんです!」というコンセプトを直に伝えに来ているメタい感じがしてあまり感情移入できなかったが……。)

 

・先生、嘘だよな……?

3章後半で先生が取った行動に関して。

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……ん?これってゲマトリアの黒服が定義する「大人」や「大人のやり方」じゃないか?

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先生は「大人のやり方」に準じるんではなくそれを否定する立場じゃない???と思わずツッコミを入れてしまった。

「全ての生徒の味方である」と自負するなら、本当はスクワッドやアズサと向き合って話をしながら彼らの抱える問題を解決しなければならないところを、今回先生がやったことは、アリウス生徒をヘルメット団やオートマタのようなモブ敵同様に排除すべき「悪」として定義し、新ETOという圧倒的な武力で追い払っただけというそれこそ第一回公会議の再現だった。

生徒にはお手上げのユスティナ聖徒のミメシスたちも、アツコの戒命が弱まればいずれ消滅するはずだったのを見るに、アリウスと話し合ってETOを取り消すか合意の上書き換えるとか、シャーレの先生なりの解決法はあったはず。

アリウス生徒は洗脳されていて話が通じないし、ユスティナ聖徒はヤバすぎるから取り敢えず何としてでも最優先で鎮圧しないといけないし、アリウス生徒の過去や掘り下げはアリウス編(仮)でじっくりやるから待っててくれということだと思うが、せめて先生の言動、主義主張は首尾一貫させて欲しかったなあ。

異なる勢力間の対立を題材とする以上、誰かしらを「悪」側(※先生が付かなかった側)にせざるを得ないのは仕方ないが、今後のシナリオで何らかのフォローがあると良いなと思う。

 

・まとめ

とまあ色々と思うがままに書いたものの、世間的には圧倒的に好評であり、結局は運営が作りたいもの/作ったものが大半の人にウケているならそれは成功と言えるので、もしこの記事を読んでいる方がいて3章後半に満足したなら悲観的になる必要は全くない。

 

本来予定していたシナリオから変更があったのではないか?という仮説にしても運営には少なくとも

1. 周年には間に合わないがメインライターが構想した本来のシナリオを書ききる

2. 周年で完結のお礼と新章の発表をしたいから、生放送までには一部を端折ってでも必ず完結させる

という2つの選択肢があり、検討した結果後者を選択しただけでそこに正しい/間違いは無い。

 

2章があまりにも面白くて期待度がぶち上がっていた分が元に戻ったというだけで、好きな部分を上げると数えるのも大変なくらい今もブルアカが好きなので、これからも動画を作ったりゲーム内の有料パックを買ったりで応援していきたい。

 

次の動画は世界観を整理したやつを出そうかなーと思っています。